1. 強い地盤と弱い地盤が存在する理由
地盤豆知識 2020.01.21

強い地盤と弱い地盤が存在する理由

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知っていますか?土地には強い地盤と、弱い地盤が存在します。
弱い地盤には弱い理由が、強い地盤には強い理由があります。

たとえば土地の名前には、歴史があってその地名を見ただけで「地盤が弱い」土地がわかるというのです。例えば「沼」「池」「蛇」などの地名には、水に浸かっていたという歴史が込められていました。今回は、「強い地盤と弱い地盤が存在する理由」の特集です。

名前でわかる!地盤の弱い土地

地震に弱い土地は、水害にも弱い。
昔からその土地の名をみれば「地震で崩壊する土地」がわかると伝えられています。 歴史的な災害が起きた地盤を、後の世の人に伝えるために、昔の人たちは警告として土地に名前をつけたのだそうです。
これを「崩壊地名」と呼びます。弱い土地には、警告の意味をこめてつけられた名前があるのです。これは、驚きますね。

今から20年ほど前、死者6,400名の犠牲を払った阪神大震災が起こりました。このとき地震により、ひときわ大きな被害をうけた土地があったのです。崩落した阪神高速道路の土地の名は、東灘区の深江本町。「江」という字が使われていました。漢字で「さんずい」のつく名前は、水にちなんだ警告が込められた土地が数多くあります。そう、この場所はかつて海に沈んだ場所。阪神高速道路は、海沿いを走っていたのでした。

天変地異の歴史が刻まれた土地

弱い土地には、地震や水害が起こったという歴史が刻まれていました。
ここで、ぜひ知っていただきたいのですが、今は海・川・沼などが存在しなくても、「水」に関係した漢字が含まれた土地は、買う時に注意しましょう。
地名は自然災害のリスクを知るための、ひとつの「鍵」となります。そこはかつて水辺だった可能性が高いからです。具体的に軟弱な地盤の特徴とされる漢字をあつめてみました。

1.低湿地を示す地名
鴨ケ池、大池、赤沼、長沼、沼崎、新潟、池ケ原など、池や沼がつく場合が多い。

2.湿生植物にちなむ地名
芹田、茅沼、芦原、小菅、菅野、青柳、柳川など、芹・芦・菅・柳がつく場合が多い。

3.湧き水地点を示す地名
小泉、和泉、今泉、清水、井戸、亀井戸など、泉・ 清水・井戸がつく場合が多い。

4.新開地を示す地名
明治新田、下沼新田、笹塚新田、古川新田など、多くは新田がつく。水を引くために、田は土地が低い土地に作る。

5.氾濫を示す地名
押切、袋、大曲、河合など。

6.自然堤防や中洲を示す地名
中之島、堂島、三島、綱島、中洲など、多くは島や洲がつく。
出典:LIFULL HOME,S PRES

古い地図から学べ!弱い土地の名

自然災害が起こった時に、大きな災害となる「弱い地盤」。
これは、古い地図から読みとることができます。たとえば東日本大震災で津波にあった場所は、「津波痕跡地名」が名付けられていました。

まだ記憶に新しい、東日本大震災。
ここで大きな津波があった土地、水害があった場所には「女」「釜」「沼」「川」といっった名前がつけられていました。この漢字は、特に氾濫したという証の地名なので、覚えておくことをオススメします。

名取、女川、小名浜、女場、女遊戸、波倉、釜石、気仙沼、鎌倉、芋川、妙見、加賀、灘、桜島、普賢岳、蛇抜、板野など。

こういった地名には、「地震、津波、洪水」の記憶が、土地の名に込められていました。そこで水害があったという、先人からのメッセージが刻まれているのです。

強い地盤に建つという。神社・仏閣

一般的に、土地は高い場所にあれば「強く」
低い場所にあれば、「弱い」という傾向があります。田や川、池があった場所は地盤がゆるく、「弱い」とされています。
強い地盤とは、過去に水に浸かった歴史がなかった土地なので、丘や高い場所にある土地は「強い」のです。
また、特に「神社・仏閣がある場所は強い」とされています。それは何故でしょうか?地盤の強い理由も、そこにはありました。


神社・仏閣がある場所は水に沈まない

昔の人々は、水に沈んだ歴史のない場所を選び、神社・仏閣を建てたとされています。リアルな話では、東日本大震災の時に、津波の被害にあわなかった神社がたくさんありました。

福島県沿岸部に建っているという、神社82社。浸水した地図に照合していくと、多くの神社がキレイに、浸水線の上に建っていたのです。「津波は神社の前で止まる」とテレビで放映されるほど、それは話題となりました。

水に沈んだ神社は、昭和56年に移転したという新しい神社でした。古くからある、由緒正しい神社は、海水到達ライン上に建っており、津波にあわなかったのです。

神社と城は、強い土地の上に建つ

福島県相馬市の津(つのみつ)神社では、「津波がきたら、神社に逃げれば助かる」という言い伝えがありました。近隣の人たちは、その伝承を聞いて育ったのだといいます。3.11の時には、その先代からの教えにより、神社に逃げ込んだ50人ほどが避難して助かりました。
神社=地盤が強い場所というのは、古からの声なきメッセージなのです。
強い地盤を見極める手段のひとつとして、覚えておいて損はないでしょう。また、城も同じように地盤が強い土地に建っているとされています。

古い地図に込められた先人からの手紙

強い地盤、弱い地盤が、地名によりある程度、判断できることがわかりました。
では、どうやって調べればいいのでしょうか?おもな方法はこちらです。

・区役所、市町村役場で調べる。
・図書館や資料室で旧地名の由来を調べる。

名古屋市でいいますと、昭和初期の地図をインターネットで見ることができます。
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砂質土は、地盤が強い

岩盤や砂礫をおおく含む土地は、硬く締まりがあり、一般に強い性質があります。

強い地盤、弱い地盤には、古からの理由がありました。土地を購入するときは、地区のハザードマップなども活用して、地盤をしっかり見極めましょう。マイホーム購入の際、災害時に逃げる場所などにも役立つ情報かと思います。

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